「あなたは金糸雀に似て
それでいて金糸雀に似ておらず
まるで息をひそめるように
その身を丸めて寝床でさえずっているのね」
それがある朝
止まり木を折って
籠を開け放って
あなたはどこかへ行って
わたしはただただ叫んで
家具という家具をめちゃめちゃに切り裂いて。
「ふしぎね,とてもふしぎ」
結局は,金糸雀はわたしであると
気づいたときにはもう遅く
この身は羽毛でくるまれ
放つ声はもはや言葉ではなく
だからある朝
止まり木に止まって
籠を閉め切って
あなたを忘れて,歌う。