金糸雀

  • 2019.07.13
金糸雀

「あなたは金糸雀に似て
 それでいて金糸雀に似ておらず

 まるで息をひそめるように
 その身を丸めて寝床でさえずっているのね」

それがある朝
止まり木を折って
籠を開け放って
あなたはどこかへ行って

わたしはただただ叫んで
家具という家具をめちゃめちゃに切り裂いて。

「ふしぎね,とてもふしぎ」

結局は,金糸雀はわたしであると
気づいたときにはもう遅く
この身は羽毛でくるまれ
放つ声はもはや言葉ではなく

だからある朝
止まり木に止まって
籠を閉め切って
あなたを忘れて,歌う。

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